おくらあえ

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TVアニメ『ラブライブ!』第7話中の「これからのsomeday」という小文字表記についての考察

※この記事は2013年3月4日に執筆しました。

本記事では、TVアニメ『ラブライブ!』第7話中にあった亜里沙の持っていた音楽プレーヤ中の「これからのsomeday」という表記についての考察をおこなっていく。


-問題点
本記事を書くきっかけとなった問題点が以下の画像である。

赤線で囲った部分「これからのsomeday」という表記が問題なのだが、まずなぜこれが問題であるかについては以下の2点から考えられる。

1.劇中で彼女らの動画ページにおいて「これからのSomeday」と表記されている


2.実際の挿入歌2としてのタイトルが「これからのSomeday」である

一点目について、これは彼女らがアップロードしたものであり、作曲・作詞、そしてもちろん曲名もμ'sメンバが考えたものであり、これが正規であると考える。

二点目について、こちらはプロジェクトラブライブ!の一貫として発売されるCDであり、実際に手にすることができる"商品"であるため、これが正規であると考える。



以上の二点から、正しい表記は「これからのSomeday」、誤った表記は「これからのsomeday」とそれぞれ考えることができる。




-前提条件を考える
以上の問題点「これからのsomeday」というアルファベット「s」の小文字表記について考察していくが、まず大前提として、

  • プレーヤの所有者は誰か
  • 亜里沙・絵里それぞれの音楽ファイル入手環境はどうか

について考える。これらを明示する理由としては、「これからのsomeday」という表記が

  • 人間(所有者)のタイピングに因るものか
  • PCでのダウンロード・保存に因るものか

という二つの方法のどちらかから成されたと考えるからである。ただし、本記事では二点目の「PCでのダウンロード・保存に因」り発生する、システム的問題は無視する。




ではまず●プレーヤの所有者 について考える。

これについて、7話で亜里沙が所持していたこと、8話でもこれで音楽を聴いていたことから、亜里沙の所有物である可能性は大きい。


8話(画像下)においては絵里が、亜里沙の部屋に入ってきた時「貸して」と言ったことからも、亜里沙の所有物である可能性がとても高い。
また別な観点から、彼女は7話で海未と会話した時「START:DASH!!」を撮影しそれをアップロードしたが、それ以降はむしろ逆効果になり得ると考えており、そもそも彼女が自主的にプレーヤへ「これからのsomeday」を入れる、ということも考えづらい。
よって、このプレーヤの所有者は亜里沙であると考える。


次に●亜里沙・絵里それぞれの音楽ファイル入手環境はどうか について考える。

亜里沙の所持しているプレーヤはMDプレーヤにしては幅が無さ過ぎるため、mp3等のデータを用いるものと思われる。そのため曲をプレーヤに入れるには普通、PCが必要となる。まず彼女らの部屋のカットを見る。



7話、絵里の部屋のカット。画像(下)に据え置きのプレーヤのようなものが見られるが、それ以外は大抵本のようである。


机の上まで確認できない。


そこでPCがある環境といえば、生徒会室で絵里が扱っているパソコンであるが、μ'sに否定的な言動をしている絵里が、堂々と生徒会室で曲をダウンロードしているとは考えづらい。


だが、このPCがもし絵里の持ち物であるとすれば、音楽ファイルの入手はここから行っている可能性が高い。
これらより既存カットから把握できる音楽ファイル入手環境は、生徒会室で絵里がいつも使っているPCである可能性が高いと考える。



以上、本記事において前提となる仮想条件をまとめると

  • プレーヤは亜里沙のものである
  • 音楽ファイル入手環境となるラップトップは絵里のものである

となる。



-考察
では、これらの条件を踏まえて、あの曲名がどのようにして「これからのsomeday」と表記されたのか、場合分けして考える。

1.亜里沙が絵里に頼んだ場合
亜里沙が自分のプレーヤにμ'sの新曲「これからのSomeday」を入れたいと考えた場合と同義である。
この場合、亜里沙は絵里にPCを借りなければいけないという状況になる。そのため絵里に承諾を得ねばならない。そうすると亜里沙は絵里に「μ'sの曲を入れたい」と言わなければならないだろう。

これ以降を語るには、まず、絵里が「START:DASH!!」の撮影動画ファイルを、亜里沙に提供していることが、7話の会話中から判るということを理解しておく必要がある。

参考「サイトに上がってないところの映像まで・・・」

参考「(中略)お姉ちゃんが撮影してきてくれて!」

以上から「START:DASH!!」のファイルを「撮影してきてくれ」たのは絵里である。一体何の目的があって亜里沙にまで、どのタイミングで見せたのかは不明であるが、絵里がそうしたことに間違いはない。

このことから絵里は妹・亜里沙から何か頼まれると(この状況ではファイルをほしいという依頼)、無視できないのではないかと考えられる。よって亜里沙の「μ'sの曲を入れたい」という依頼がもしあったならば、絵里はこれを受け入れる。

そして生徒会室のPCで曲を何らかの方法でダウンロードし、プレーヤに入れた。このとき、生徒会室で曲を入れているところを見られると、自分が表にしている感情とは反対の行動をとっているということを誰かに視認されてしまう。そのため保存後のタイピングによって生じた「これからのsomeday」という誤表記を確認することを怠った、と考える。

■推論1:亜里沙が絵里に頼んだ場合、絵里が生徒会室で曲名を入力したために生じた誤表記である。


2.亜里沙が自分で曲名をタイピングした場合
この場合の推論は簡単である。ただし前提として、姉・絵里のPCを借りたとし、ダウンロードは終了しているものとする。

考えられるのは、彼女がまだ日本に来て間もないということや中学生ということから判断できる、彼女のPCへの不慣れである。「これからのsomeday」という表記は「これからの」というひらがな文と「someday」というアルファベット文に分けられるが、普通PCでこれを実現するにはキーボードの「半角/全角」ボタンを使用する。これはおそらく、亜里沙にも理解できたと思う。
しかし、「S」と「s」を打ち分けるには普通「Shiftキー」を押す必要がある。これを知らなかった亜里沙は仕方なく「S」を「s」と表記したと考える。
同時に、この程度のことならば絵里に聞けばよかっただろうとも考えられる。しかし、前提としてあげた「絵里からPCを借りている」「ダウンロードの手助けを受けた(かもしれない)」があることから、廃校の危機に瀕した学校の生徒会長として頭を抱える絵里の邪魔をできるだけしたくない、ということと天秤にかけ、「S」というふうに表記するのは諦めた、と考えられる。

■推論2:亜里沙が自分で曲名をタイピングした場合、Shiftキーでの入力を知らなかったために仕方なく小文字で表記したものである。



-まとめ
本記事では

  • プレーヤは亜里沙のものである
  • 音楽ファイル入手環境となるラップトップは絵里のものである

を前提とし、

  • 1:亜里沙が絵里に頼んだ場合、絵里が生徒会室で曲名を入力したために生じた誤表記である
  • 2:亜里沙が自分で曲名をタイピングした場合、Shiftキーでの入力を知らなかったために仕方なく小文字で表記したものである

という推論を得た。これらは全て私自身の状況把握による想像にすぎない。だが私は、「■推論2:亜里沙が自分で曲名をタイピングした場合、Shiftキーでの入力を知らなかったために仕方なく小文字で表記したものである」を結論としたい。

なぜならば、この姉妹はお互いに思いやる優しい女の子であることが、随所からうかがえるからだ。絵里は妹である亜里沙を良くし、亜里沙は姉である絵里を尊敬している。

この「これからのsomeday」という小文字表記には、姉を思いやる、妹の優しい気持ちが込められていたのだと、私は考える。

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