おくらあえ

おくらの脳内を和え和えする。

TVアニメ『ラブライブ!』第5話観後感

第5話:「にこ襲来」

前回のあらすじから。ナレーションは小泉花陽。
ついに花陽は、凛と真姫の後押しもあり、スクールアイドル「μ's」に加入する。

「アイドルへの思いは、誰にも負けないつもりです―」

「μ'sのメンバーにしてください!」

3話に続いて神回だった。また、メンバーに凛と真姫も加わり、倍の6人となった。

そして第5話「にこ襲来」ということですごく物騒なタイトルがついているが・・・。

ことりがいつもの練習場所でストレッチをしている場面から。

体を伸縮させるたびに漏らす甘い声と、首をかしげる動作、上着のシャルトリューズ・グリーン&イエローに、それをシックに抑えるビリジアンカラーのニーハイソックス、髪色と同じフリルのスカート。そして手には気持ちを締めるためか、紅白のリストバンド。完全にダンス練習をしようとするぐうかわいいタイプの娘(直球)。そのことりを、影からあやしげに見る不審な人物が・・・。

穂乃果が登場。見ると、彼女も同じリストバンドをつけている。コレ商品化して。

視線を感じたことを確信したことりの代わりにわざわざ「ササッ」と口に出しながら影を覗く穂乃果。コレ小学生くらいがやることじゃね・・・。

おみくじ売り場のその物陰を覗くが、誰もいない。先まで進んで確かめようと、小走りを始めて間もなく、とつぜん足首を掴まれ盛大に顔面からこけるかと思われたが、腕立ての状態でなんとか顔面激突を免れる。このシーンは、彼女がアイドル活動を始めた当初、腕立てができなかったということからの成長を示唆しているのだろうか。身を起すと、前方からのびてくる手。思わず瞼を閉じる穂乃果が再び開く瞬間に合わせて、デコピン。そして失神。

ことりが駆け寄ると、カッパーカラーのコートに身を包んみ、サングラスとマスクをした見るからに怪しいツインテールの少女が登場。怯えることりに解散しなさいと一喝、その場を走り去った。一体だれ、とことりが疑問に思ったところで、オープニングへと入る。



  • オープニングタイトル

「WILD STARS」かっこいいよね。


  • Aパート

相当なテクで放たれたのか、デコピンをされた箇所に絆創膏をつけた穂乃果が、μ'sの練習を始める前の挨拶と点呼をおこなう。もうすでに6人になって二週間が経っているらしい。かなりたのしそうな穂乃果に対して、海未と真姫が苦笑。しかし穂乃果も言うとおり、6人となると結構厚みが増したというか、安心感のある数字になった。

とっとと練習をしたいと、髪をいじる真姫に、凛が絡むシーンはとてもよかった。真姫ちゃんツンツンしすぎ。勢いで、ステップに対し文句をつける真姫だが、そのステップを考えたのは海未だったらしく、海未のおもしろいリアクションが見られる。

さっそく練習を始めようと屋上に移動し始める6人だったが生憎の雨。降水確率60%は、そりゃ降る。ちなみに海未も紅白のリストバンドをしていて、この3人だけがつけていた。個人的には、真姫の着ているショックピンクの☆がワンポイントで入ったあのTシャツがほしい。

少し雨が弱まったらしく外に出る穂乃果と凛。二人とも動きたくて仕方ないらしくそわそわしている。語尾の「にゃ」でもそうだが、凛は行動まで猫っぽい。テンションに任せて、バック転をしたあとズザーッ↑と華麗に水しぶきをあげて決めポするも、計らったかのように雨がふたたび降り出す。

真姫と花陽は帰るらしい。それに肯定したことりを見た穂乃果と凛は、そんな、私たち馬鹿みたいじゃんと言うが海未が馬鹿なんですとツッコミ。水たまりを駆けてくる音のテンポと顔だけのぞかせているカットがとてもコミカルで、ツッコミが来ることが完全に予想できたが、笑ってしまった。

雨の日の練習場所も考えないといけない、多分それは真姫も思っていただろう。それを見ていた希が、にこの行動を知ったいたのか、彼女らの気持ちを言う。フンとだけ言ったにこのあの顔の悪さといったら。

一方ファーストフード店でやけ食いする穂乃果もにこにも劣らぬ悪い顔をしている。怒りの原因はやはり雨のよう。海未の言う「ストレスを食欲にぶつけると大変なことになりますよ」が無駄のない文章過ぎてかっこいい。

とつぜん仕切りの向こうからウンチ、否、にこが見える。このファッションなんて表現したらいいんだろう。初めて見た時は「黒柳哲子を真似たレディー・ガガ」という単語しか頭に思い浮かばなかった。が、チョコレート色のソフトクリームをもった少年がウンチとシャウトしてから、もうピンク色のウンチにしか見えない。しかしまさかラブライブ!プロジェクト内でウンチという単語を聞くことになるとは。

ことり曰く、あしたも雨になるらしい。それに落胆していた穂乃果は、自分のフライドポテトがいつの間にかなくなっていることに気づく。ただでさえ気分を害していた穂乃果は、あろうことか海未にあたる。口を手で覆ってもぐもぐする海未がかわいい。

練習場所の話をすすめることを真姫が促す。グループが5人以上いれば部として認められ、場所はどうにかなるのだそう。アレ、既に6人いるくね・・・。 穂乃果はすっかり忘れていたようで・・・。

「忘れてたんかーい!!」

クレヨンしんちゃんにこんな感じのキャラがいた気がする。というかにこにーツッコミが思わず出るって芸人体質か?

とんだおとぼけに真姫はこの人たちダメかもと漏らす。一方の穂乃果はやる気が出てきたようで、それは満たされかけていた腹をまた空かせることになったらしい。食事を再開しようとした穂乃果だが、自分のハンバーガーが仕切りの向こうから伸びる手によって、奪われようとしていた。このときの穂乃果の表情がなんとも言えない微妙な緊張感を醸し出している。

そっと戻されるハンバーガー。そしてひそひそと仕切りの向こうを歩いていくピンク色のウンチ。BGMがまたコミカルなものになる。ラブライブ!ギャグアニメ説浮上。

刹那、こっそり逃げようとするにこを穂乃果が捕まえる。ポテト返してよと言う穂乃果に口をアーンとしてみせたり、穂乃果がにこの頬を引っ張ったりと、絡みがおもしろい。

「アンタたちダンスも歌も、ぜんぜんなってない!」

「プロ意識が足りないわ!」

「いい?アンタたちがやっているのは、アイドルへの冒涜、恥よ!」

「とっとと止めることね」

と吐き捨て店を飛び出していく。店を出た先でもウンチと言われながら走る姿からは、先の言葉の威圧など全く想像できない。


翌日学校、生徒会室にて、さっそく部の設立を申し込む穂乃果たちだったが、「アイドル研究部」という部の存在によってそれを阻まれる。絵里としては部の乱立は避けたいらしい。希に、話をつけてくれば、2つの部が1つになれば、問題はないと言われさっそくアイドル研究部へ赴くのだが・・・。アイドル研究部の部長は昨日の今日で揉めた、矢澤にこだった。


  • Bパート

穂乃果たちとにこが対峙しているコマから。とつぜんのにこの威嚇。そして部室に逃げ入るなり、始まるチェイス。バリケードを張るために重そうな段ボール箱を持ち上げたり、走っているとすぐに息切れをしたりするあたりに、にこの女子としてのか弱さを感じることができてとてもいいシーンだった。

けっきょく、アルパカにぶつかり昇天したにこ。部室に入れてもらったμ'sの6人は部室中のグッズに関心を持っているが、にこはすごくブスっとした表情。

花陽は「伝説のアイドル伝説」なるものに対してものすごく興奮した様子で語る。花陽のその興奮っぷりもすごいが、にこのアイドルへの関心も相当らしい。この二人はある意味で合うのかもしれない。

一方ことりは、本棚の上に置かれたサイン色紙を見ていた。秋葉のカリスマメイド「ミナリンスキー(?)」さんのものらしいが、ことりの様子がおかしい。姿は見たことないと言うにこのセリフに胸をなでおろすことり。コレってばまさかの・・・。

話は部の併合に。にこは拒否の一点張りだが、μ'sらのアイドルとしての「キャラ作り」の足りなさには腹をたてているらしい。

「にっこにっこにー❤あなたのハートににこにこにー❤笑顔とどける矢澤にこにこー❤にこにー、って覚えてラブニコッ❤」

「どう(低音)」

迫真の演技に一同絶句。にっこにっこにーのフレーズにこんな動きがつくとは。感無量。

つい寒いかも、とつぶやく凛。怒るにこ。怖いよ。

メンバーそれぞれが思い思いの感想を漏らし、穂乃果がさっそく取り入れようと立ち上がるが、出てってと半ば強引に外に出されてしまう。どうしてここまで毛嫌いされているのか。

様子を見に来た希から話を聞いた。昔はにこもスクールアイドルとしての仲間がいたらしい。アイドルへの目標が高すぎた故の決裂。しとしとと降る放課後の雨が濡らす窓の内、暗い部屋で見るにこの顔はアイドルとしての輝きなど皆目見られなかった。

どうにかにこを説得できないかと考える3人。そこで穂乃果は海未といっしょじゃないかと考えつき不敵な笑みを浮かべる。ここで彼女らの小学生時代の回想になる。小学生の海未とことりがめちょかわいい。


翌日、いつものように、放課後一人で部室へと向かうにこ。教室でも、廊下でも、彼女と話す人はいない。下駄箱を歩く後ろ姿で号泣。部室の前に来ると2人の生徒がたのしそうにこの後の遊びの計画を話しながら、にこの背後を通る。哀しみを含んだ表情のまま重くドアを開いた。

するとそこには、6人のμ'sメンバーが。そして各々から呼ばれる、部長。

「こんなことで押し切れると思ってんの?」

そう言うにこに対して、穂乃果

「押し切る?私はただ、相談しているだけです―」

「音ノ木坂アイドル研究部所属の、μ'sの7人が歌う次の曲を!」

7人・・・そうつぶやくにこの眼前には6人と、自分。自分がメンバーとして、部長として、何よりスクール「アイドル」としてまた歌い、踊るための仲間となる少女たちがそろっていた。

意を決したにこ。

そして、6人は「アイドル研究部」に加入した。

「いい?やると決めた以上、ちゃんと魂込めてアイドルになりきってもらうわよ! わかった?!」

うまくにこをメンバーとすることができたのは、昔穂乃果が海未に対してとった方法と同じものだった。相手の気持ちを考え、こちらからひと押しするだけでいい―。にこが上手く乗せられてしまったかのようだが、穂乃果の優しい気持ちが、にこを素直にさせたのだった。

かつての高き理想を再び抱き、6人の前に立ったにこ。そこに並び立っているのは、以前とは違う仲間たちだが、確かにいま再スタートを切った。嬉しさと懐かしさに、涙がこぼれそうになる。それを見られぬよう、着なれたジャージの袖で拭い、曇天の隙間から覗き始めた太陽のようなにこにことした笑顔で、いくよと高く飛んだ。

  • エンディング

「きっと青春が聞こえる」の矢澤にこ(CV:徳井青空)ソロ。2月6日に発売となったが、前日2月5日は「矢澤にこの日」。2(に)月5(こ)日という単純なものだが、はたしてここに「にこ襲来」が放送されたのは京極監督の計らいなのか。
アニメイトなど各アニメショップでは、それぞれCDに購入特典が付いている(一部連動購入)。またカップリング曲「輝夜の城で踊りたい」の作曲は、一度聴くと耳について離れない独特のメロディをもつ「ラブノベルス」を作曲した佐々倉有吾氏が手掛けている。オープニング曲の「僕らは今のなかで」とそのカップリング「WILD STARS」も良曲なので、ぜひ合わせて手にとってみられてはいかがだろうか。


  • 総括

にこ回ということで、深くアイドルチックな話が出てき、にこの過去を知ることができたりと濃密な回だったと感じる。ついに7人となり、残すは、当初からμ'sメンバーに関わっている絵里と希だけとなった。はたしてどういった流れで彼女らが加入するのか。ターニング・ポイントとなる、第6話は「センターは誰だ?」ということで、μ's内でのトラブルえをフォーカスするのか、それとも何か生徒会との進展があるのか、非常に楽しみである。

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